アンケート事例

夏といえば海外へ出かける人も多いですよね。しかし目的地へ到着する前の飛行機の中だとか乗り継ぎ待ちの時だとか結構時間を持て余してしまいがちなのでは？そこで！というわけで１９９９年７月にＪＴＢがベテラン添乗員達を対象にこんなアンケートをとったんです。さて、ここから一体どんなことが見えたのでしょう・・・？

Ｑ．航空機内での過ごし方及び空港での余った時間の使い方を教えて下さい。

順位	機内でのおすすめの過ごし方（コメント例）	得票
１	ひたすら眠る（アイマスク・耳栓は必携、,目的地に備えて体力温存）	７４
２	読書（頭の疲れない本・雑誌、普段読めない難しい本）	５３
３	映画鑑賞（日本公開前の映画を見られるメリットがある）	４３
４	ガイドブックを読む（旅先の情報収集をする）	２５
５	音楽を聴く（好きなＣＤを聴く、旅先に関連のある音楽を聴く）	１７

順位	空港でのおすすめの過ごし方（コメント例）	得票
１	（ウインドウ）ショッピング（外貨を使い切る、免税店で値段や品揃えをチェックする）	６８
２	レストラン・カフェでくつろぐ（その土地ならではの料理やお酒を発見する）	４２
３	絵はがきを書く（空港の郵便局で投函）	１８
４	洗面・歯磨き・シャワーを浴びる（気分を爽快にする）	１７
５	人間ウォッチング（多国籍のおもしろさは空港ならでは）	１６

上の二つの表は問いに対する回答のそれぞれ上位５項目をまとめたものです。では内容について詳しく見てみましょう。

まずは「機内」について。

ダントツで「睡眠」がトップですね。「やっぱり体力が肝心！そのためには睡眠が絶対不可欠」だとか「時差ボケ対策として目的地の時間に合わせて寝る」などといったコメントが見られました。加えて２位の「読書」、３位の「映画鑑賞」の中にも「眠気を誘うから」といったコメントが多々ありました。機内では退屈しのぎに何をしようと考えがちですが、ベテラン曰く、「旅には睡眠第一」ということです。説得力ありますね。

それでも何かしたい！という人は、２位以下の回答に目を移してみましょうか。

２位「読書」は大きく意見の分かれたところです。「普段読めない本を読む機会はこれぐらいしかない」派と「できるだけ頭は使わない方がいいから簡単な本を」派、あなたはどちらですか？そして３位「映画鑑賞」の「日本公開前の映画が観られる」なんてずいぶんちゃっかりした答えですよね。４位「ガイドブックを読む」－旅先の事情を直前によく飲み込んでおくことは重要ですね。また５位「音楽」の「現地の音楽を聴く」、あるいは「旅先が舞台となっている小説やエッセイを読む（２票）」なんてのも訪問先へのイメージを膨らませるためにおすすめです。ちなみに以下６位「マッサージ」（１４票）、７位手紙を書く」「ゲーム、クイズ」（各９票）、９位「機関誌をチェック」（６票）、１０位「旅先の言葉を勉強」「スケジュールを考える」「旅日記を作る」（各３票）・・・と続きます。

また、こんな少数意見も。「ひたすらボーっとする」（１票）、「じっくり自分を見つめ直す」（１票）・・・機内ではたっぷり時間があるので日頃出来ないことをするというのもいいかもしれませんね。

次に「空港」編を見てみましょう。

トップは高得票で「ショッピング」。「外貨を使い切るのに好都合」だし「その土地ならではのものが見つかる」最も身近な場所でもあります。また「免税店で値段や品揃えのチェックをする」というのも賢い活用法ですね。２位は「レストランやカフェでくつろぐ」ですが普通にくつろぐだけでなく「その土地の料理やお酒をさっそく賞味」したり「周囲の人間をウォッチング」したりと人によりいろいろな楽しみ方がありそうです。「人間ウォッチング」というのは５位にもランクインしていますが「知らないところに行くとその場所の人間の動向を探りたくなる」というのは人間にとって本能的な行為なのかも知れません。それは自分をその場に適応させるためには不可欠なことですものね。３位「絵はがきを書く」－旅の出発の感動が薄れないうちに絵はがきを書けば日本にいる家族や友人にもその感動がきっと伝わることでしょう。また４位「洗面・歯磨き・シャワー」となっていますがその中でも「シャワー利用ノススメ」は数多くありました。どの空港にシャワールームがあるのかを知り、上手く利用すれば気分も爽快！ちなみに６位には「空港内を散策」（１５票）がランクインしており、空港を歩き回ってどんな設備があるのかを知ることも快適な旅の鉄則のようです。以下同率６位「クレジットカード会員用のラウンジを利用」、８位｛読書」（１０票）、９位「とにかく休む」「景色を楽しむ」（各９票）・・・と続きます。

そして意外にも思える結果も。１０位に「次の目的地の下調べをする」が入っているのですが、よくよく全体を見渡すとなんとそれよりも上位に「休む」（９位）ことが入っているのです。「静かな場所に座って休む」に始まり「空港の仮眠室で寝る」「空港近辺のホテルで仮眠」等、本格的に休むという意見もありました。「空港内の礼拝堂で靜に座って休み、寄付をして帰る」なんて意見もあるほど。先を急いで案ずるよりもまず時間のあるうちに、疲れをとるチャンスがあるうちに疲れはとっておくべきだということかもしれません。

最後に、番外編とでもいいましょうか。「タバコの吸いだめをする」（２票）という意見もありました。全席禁煙の航空会社が多い昨今、目的地に到着するまでで唯一タバコを吸えるのが空港の喫煙所、という例もあります。したがって愛煙家にとってはこれも有効な時間の活用法ではないでしょうか。

以上、結果からざっと中身を観察してみました。このアンケートにより企業側では旅のベテランの生の声を聞くことができ、それは今後企業側がどのようなサービスを利用者に提供していけばよいのか？という問いに対する答えを示す１つの指針となります。アンケートとは世間のニーズを知るための有効な手段であるということがよくあらわれているといえるでしょう。

この調査のお問い合わせ先
㈱ｼﾞｪｰティービー　広報室